杉良太郎 大全集(2009)

杉良太郎 杉良太郎 大全集(2009)歌詞
1.男の人生

作詞:藤田まさと
作曲:遠藤実

泥をつかんで 歩こうと
傷を背負って 歩こうと
歩いた道に 悔はない
俺の選んだ 人生だ
生きてく道は 生きてく道は
アー ひとつだけ

気障なようだが この俺に
惚れた女が ひとり居た
真ッ暗闇の 道端で
抱いたあいつの 細い肩
そのぬくもりが そのぬくもりが
アー 身に沁みた

過去をほじくりゃ きりがない
俺とあいつの 生きざまを
笑ったやつも いたけれど
俺はうしろを 見たくない
あいつが側に あいつが側に
アー いる限り


2.夢の中まで

作詞:いではく
作曲:遠藤実

肩のうすさと ほつれ毛に
おまえの苦労 のぞいたような
港の酒場
やっと会えたのさ 泣くだけ泣けよ
今日からは 今日んらは
夢の中まで おれと一緒だぜ

ふたり暮らした あの頃は
気づかなかった おまえのよさに
馬鹿だぜ おれも
霧につつまれて 歩いて行こう
わかるさ わかるさ
夢の中まで おれが離さない

爪の先まで 白くして
しがみついてる いとしいおまえ
泣けるぜ おれも
抱けばふるえてる かぼそい肩に
幸せを 幸せを
夢の中まで おれがくれてやる


3.港のちぎれ雲

作詞:山口洋子
作曲:弦哲也

ふるさとを聞くな 生まれも育ちも
かもめで飛んで 出船で去って
片手であばよ―――
港の秋雲 ちぎれ雲
それがいまの俺
一度惚れたら その女性(ひと)の
幸せだけを ただ祈る

想い出を聞くな 好きじゃないんだ
ふりむきゃ一つ 教えて三つ
傷あとばかり―――
夕焼け夢雲 はぐれ雲
気ままで身まま
言葉少なく 頷いて
離した指が 熱かった

行く先を聞くな 泪は苦手だ
汽笛が吠えて 桟橋(さんばし)揺れて
別離(わかれ)が残る―――
月夜の旅雲 迷い雲
影だけ連れて
たったひとつの 手荷物は
情で結んだ 契り花


4.夫婦抄

作詞:坂口照幸
作曲:弦哲也

あっという間の 人生なのか
春と思えば またの秋
俺とおまえの 舞台の裏を
つつきはじめりゃ ボロも出る
それがあっての 夫婦じゃないか

きゃしゃな身体の おまえのどこに
つらい苦労を 忘れ花
泣かす奴だよ おまえって奴は
さらに云うなら 俺の負け
酔いのまわりも うれしじゃないか

何もないから 故郷(ふるさと)なのさ
今はその魅力(よさ) 見える歳(とし)
長い旅路の その先の先
おまえ帰ろよ 俺達も
ふたり一つの 命じゃないか


5.北からの手紙

作詞:なかにし礼
作曲:弦哲也

愛しながらも 言いだせず
好かれながらも 気がつかず
別れて 一年 たったのか
水色の封筒の
お前の名前は ひとり身か
逢いに行きたい 飛んで行きたいよ
北のふるさと 坂のある町

他人の幸せ こわすまい
俺が耐えたら いいんだと
あきらめかけてた 男恋
便箋を ひろげれば
愛していますと 書いてある
お前迎えに 飛んで行きたいよ
北のふるさと さびれた波止場

都会ぐらしは つらかろう
いっそ田舎で 生きようか
どこでも いいのさ 二人なら
このあとの人生を
おまかせしますと 言う手紙
逢いに行きたい 抱いてやりたいよ
北のふるさと 海峡こえて


6.終着駅まで

作詞:たかたかし
作曲:藤竜之介

何があなたに 見えますか
枯葉がひとひら 舞う秋に
小さな駅から 希望を胸に
喜び悲しみの 汽車を乗り継ぎ
あゝふりむけば ひとすじの道程(みち)よ
あゝ人生の 風雪にたえて
今あかあかと 夕陽が照らす 夕陽が照らす

飾る花さえ 歌もない
そんな時代も あったよね
あなたの笑顔に 明日を信じ
いくつも越えてきた 長いトンネル
あゝささやかな 幸せをもとめ
あゝささえあい でこぼこの道を
ただひたむきに 歩いて来たね 歩いて来たね

少し白髪も ふえたけど
心はまだまだ 元気です
終着駅まで あなたとともに
思い出アルバムを 増やしつづけて
あゝよりそえば ほほ笑みがつつむ
あゝ変わらない あなたへの愛を
今しみじみと 見つめる夕陽 見つめる夕陽


7.街角に佇めば

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

街角に佇めば それは 舞台の幕間
憩う煙草は 永遠ならず
急ぐ車と 足速やの人
立ち止まること 許されず
来た道の見返り足らず 往く道の覚悟も足らず
もう次の 幕が上がろうとする
心ならずも佇み終えて 再び向かう雑踏の中
握り拳を胸に密めて せめて命の唄を歌いに行こうか

街角に佇めば それは ひと時の恋
遊び心は 形と成れず
すまじきものと 知りつつの夢
けれど火照りの 捨て切れず
一人をも幸せにせず わが身さえ捉まえ切れず
思い出を 更にほろ苦くする
心ならずも佇み終えて 再び向かう雑踏の中
握り拳を胸に密めて せめて命の唄を歌いに行こうか

街角に佇めば それは 旅先の宿
安住の地の ぬくもりならず
まぶたを叩く 斜めに射す陽
しばしの孤独 楽しめず
来た道の見返り足らず 往く道の覚悟も足らず
風立ちて 背中小突こうとする
心ならずも佇み終えて 再び向かう雑踏の中
握り拳を胸に密めて せめて命の唄を歌いに行こうか


8.まんまる音頭

作詞:杉良太郎
作曲:杉良太郎

(ソーレ ソレ ソレ ソレ ソレ)
(ハッハハ ソーレ)
飛んで 飛んで
足を広げて 両手を高く
まんまるだ (ソーレ)
貴方の瞳に 映る笑顔が
まんまるだ (ソーレ)
顔もまんまる 家中まんまる
街中まんまる
昇る朝日が まんまるだ
月もそのうち まんまるだ
(ソーレ ソレ ソレ ソレ ソレ)
(ハッハハ ソーレ)
皆んな輪になって 笑う笑顔が
まんまるだ
地球がまんまる 皆んな平和で
まんまるだ (ソーレ)
まんまるだ まんまるだ
まんまる音頭だ
(ソーレ ソレ ソレ ソレ ソレ)
(ハッハハ ソーレ)

(ソーレ ソレ ソレ ソレ ソレ)
(ハッハハ ソーレ)
飛んで 飛んで
腕を広げて 横に歩いて
まんまるだ (ソーレ)
明日があるから うつる笑顔が
まんまるだ (ソーレ)
親父がまんまる 心がまんまる
夢がまんまる
金が無くても まんまるだ
月もよく見りゃ まんまるだ
(ソーレ ソレ ソレ ソレ ソレ)
(ハッハハ ソーレ)
皆んな輪になって 笑う笑顔が
まんまるだ
地球がまんまる 皆んな平和で
まんまるだ (ソーレ)
まんまるだ まんまるだ
まんまる音頭だ
(ソーレ ソレ ソレ ソレ ソレ)
(ハッハハ ソーレ)


9.業師一代

作詞:坂口照幸
作曲:弦哲也

なまじ半端の 学問(がく)など要らぬ
技は見て盗(と)れ 真似て盗れ
起きて三尺 寝て五尺
名前、あとから ついて来る
男の修業は そう云うものよ
花は自分の
花は自分の 鉢で咲け

そんな腕では よそ飯喰えぬ
外へ出たとき 恥をかく
詰めが甘いと 親方の
きつい拳固(げんこ)を 思い出す
こう云う事かと 膝打つばかり
あとで分かって
あとで分かって 来るんだよ

一度身につきゃ 上見るものさ
技は譲れぬ 裏切らぬ
人があぶれる 今の世を
裏で支えて 生きてゆく
男の修業は そう云うものよ
今日のがまんが
今日のがまんが 花と咲く


10.吉良の仁吉

作詞:萩原四朗
作曲:山下五朗

海道名物 数あれど
三河音頭に 打ち太鼓
ちょいと太田の 仁吉(にきち)どん
後ろ姿の 粋(いき)なこと

吉良の港は おぼろ月
泣けば乱れる 黒髪の
赤いてがらも 痛ましや
お菊十八 恋女房

引くに引かれぬ 意地の道
止めてくれるな 名がすたる
いやな渡世の 一本刀
辛い別離を なぜきらぬ

嫁と呼ばれて まだ三月(みつき)
ほんに儚(はかな)い 夢のあと
行かせともなや 荒神(こうじん)山へ
行けば血の雨 涙雨


11.明日の詩

作詞:いではく
作曲:遠藤実

たとえひと時の やすらぎでも
あれば明日から 生きてゆけると
つぶやいた 横顔に
何を答えれば いいんだろう
木枯らしの吹く朝が寂しかったら
おれの背中みつめながらついて来い
泣いて昨日を ふり返るより
明日の詩を 唄おう

いつもひと並みに くらすことが
ほんのささやかな 望みですと
さみしそうな ほほえみに
どんななぐさめが あるんだろう
ため息を消すように雨が降るなら
おれの胸でおもいきり泣くがいい
泣いて昨日を ふり返るより
明日の詩を 唄おう

人生がくり返すことはないけど
やりなおしはいつだってできるだろう
泣いて昨日を ふり返るより
明日の詩を 唄おう


12.昭和残照

作詞:坂口照幸
作曲:弦哲也

いつか死んでも 名を残す
それが男の 夢ではないか
昭和残照 男の誉れ
骨が父なら 血は母ぞ
歌い残した
歌い残した 命なり

たった一つの 泣きどころ
渡しそびれた 情けが残る
昭和残照 男の誉れ
そんな女の まごころが
俺をいまでも
俺をいまでも 通せんぼ

義理と人情 裏表
どちら欠いても 男は枯れる
昭和残照 男の誉れ
闇が切れたら 夜も明ける
行こかこの道
行こかこの道 どこまでも


13.人生劇場

作詞:佐藤惣之助
作曲:古賀政男

やると思えば どこまでやるさ
それが男の 魂じゃないか
義理がすたれば この世はやみだ
なまじとめるな 夜の雨

あんな女に 未練はないが
なぜか涙が 流れてならぬ
男ごころは 男でなけりゃ
解るものかと あきらめた

時世時節(ときよじせつ)は 変ろとままよ
吉良の仁吉は 男じゃないか
おれも生きたや 仁吉のように
義理と人情の この世界


14.瞼の母

作詞:坂口ふみ緒
作曲:沢しげと

軒下三寸 借りうけまして
申し上げます おっ母さん
たった一言 忠太郎と 呼んでくだせぇ
呼んでくだせぇ たのみやす

「おかみさん 今何とか言いなすったね
親子の名のりがしたかったら
堅気の姿で尋ねて来いと言いなすったね
笑わしちゃいけねぇぜ
親にはぐれた子雀が ぐれたを叱るは無理な話よ
愚痴じゃねぇ 未練じゃねぇ
おかみさん 俺らの言うことを よく聞きなせぇ
尋ね 尋ねた母親に 倅と呼んでもらえぬような
こんなこんなやくざに 誰がしたんでぇ」

世間のうわさが 気になるならば
こんなやくざに なぜ生んだ
つれのうござんす おっ母さん 月も雲間で
月も雲間で もらい泣き

「何言ってやがんでぇ 何が今更 忠太郎でぇ
何が倅でぇ俺らにゃおっ母はいねぇんでぇ おっ母さんは
俺の心の底に居るんだ 上と下の瞼を合わせりゃ
逢わねぇ昔のやさしいおっ母さんの面影が浮かんでくらぁ
逢いたくなったら 逢いたくなったら
俺ぁ 瞼をつむるんでぇ」

逢わなきゃよかった 泣かずにすんだ
これが浮世と いうものか
水熊横丁は 遠灯り 縞の合羽に
縞の合羽に 雪が散る


15.霧の波止場

作詞:杉良太郎
作曲:杉良太郎

霧にけむる 港に立ち
口笛を吹けば はるか沖に
むせぶような 汽笛が呼ぶよ
目をとじれば 過ぎた日々の 面影よぎり
まるで朽ちた船のように 心がきしむ
アーアー帰らぬ人 何処にいるか 幸せならば
群れにはぐれたのか カモメよ
おまえも ひとり

誰もいない 波止場に降る
霧雨がすゝりないて 聞こえる
馬鹿な俺を 責めるよ 今も
何故あの時 強い愛で お前を奪い
いっそ死んでしまうことが 出来なかったのか
アーアー いとしい人 夢でいつか幸せあげるよ
愛にはぐれたのか カモメよ
おまえも ひとり

アーアー いとしい人 夢でいつか幸せあげるよ
愛にはぐれたのか カモメよ
おまえも ひとり


16.はぐれ道

作詞:大地良
作曲:大地良

ふるさと遠く 都に向かい
真探して 体をはって
受けた傷跡 風が吹く
俺の道 茨道
過ぎし道 一輪の花

山が動くか 男の意地で
義理や人情も はやらぬままに
きった啖呵が 命取る
俺の道 一人道
過ぎし道 一輪の花

住めば都と お前も言った
情けかけても 届かぬものを
遠く汽笛が 鳴くばかり
俺の道 嵐道
過ぎし道 一輪の花


17.近江八幡堀

作詞:松井由利夫
作曲:遠藤実

銭の重さと 涙の重さ
苦労 天秤 弥次郎兵エ
辛抱するんだ 一にも二にも
それが近江の 商人や
八幡堀の
水のぬくみを 忘れちゃならぬ

母の情けの 鳥打ち帽子
顔をかくして 手漕ぎ舟
葦の葉かげで 啼く葦切りの
声が恋しい 日の昏れは
八幡堀の
赤い夕陽を こころに画く

無理という字を 両手で揉んで
夢を売るのが 道ならば
いつか錦を はじき出す
八幡堀の
月に誓った いのちじゃないか


18.旅鴉半次郎 ふりむけば夕陽

作詞:保富康午
作曲:遠藤実

花がやさしい 小さな花が
むごい きびしい 浮世の風も
こらえ こらえて きれいに咲けと
そっと 教えてくれた人
今日も 呼ばれた そんな気で
ふりむけば ああ 夕陽

「お嬢さん、お忘れでござんすか。
子供の頃…お店で丁稚奉公をしておりやした半次郎でごぜえやす。
…お嬢さん、どうか、どうか自分で自分を捨てねえでおくんなせえ。
捨てたら、おしめえだ。沈む夕陽が明日は朝陽になって昇ってくる
…お嬢さん、どうかその朝陽になっておくんなせえ。」

花が恋しい 故郷の花が
生まれぞこない 泣き虫坊主
そんなおいらの 涙を拭いた
白い 花びら 細い指
遠いあの日に帰りたい
ふりむけば ああ 夕陽

「お嬢さん、お嬢さん、しっかりしておくんなせえ!
お嬢さん、お嬢さん、
こんなところで、こんなところで死んじまったんじゃ私は、
私はこれから一体どうすりゃいいんでござんすか。私は、
ねぇお嬢さん…お嬢さん
私と一緒に行きましょうね。誰もいねぇところへ行きやしょうね。
どこ迄も…どこ迄も一緒でござんすよ。」

花が悲しい いのちの花が
たった ひとりで ほろりと散った
せめて 見果てぬ 夢追いながら
旅でござんす 半次郎
燃えて 流れる 雲ふたつ
ふりむけば ああ 夕陽


19.下北の弥太郎 からっ風の子守唄

作詞:杉良太郎
作曲:杉良太郎

怒涛逆巻く 津軽の海に
じょんがら吹雪が 唄になる
十三の砂山ナヤェ 三味の音に
乗って聴こえる お千代の声が
越後長岡 宿はずれ

岩木おろしに 心も凍る
抱いてやりたい このぬくもりで
通りすがりのナヤェ お地蔵さんに
両掌合わせて 百里の道を
今日も野宿か 鰺ヶ沢

下北砂丘は 二人きりか
捜しもとめた お千代を抱いて
雪は白無垢ナヤェ 花嫁衣裳
弥太に抱かれて 帰らぬ人に
よされ吹雪が 舞い上がる


20.「さくら吹雪」より 夫婦桜

作詞:いではく
作曲:遠藤実

おまえを支えて おれは生きる
おまえの助けで おれが生かされる
ふたりの道が 合わさって
人という字に なった朝
夫婦桜の夫婦桜の 花が咲く

おまえのこころが おれのこころ
おまえの笑顔が おれのやすらぎさ
ふたりが歩く その道は
山も涙の 川もある
明日を信じて明日を信じて 春が来る

おまえのいのちは おれのいのち
おまえの夢には おれの夢が住む
ふたりでひとり いつの日も
そっと寄りそう 人生に
桜吹雪が桜吹雪が ふりそそぐ


21.平手造酒 大利根囃子

作詞:杉良太郎
作曲:杉良太郎

人のいく道 数あれど
好きで選んだ 剣の道
夜空に咲いた 花火より
燃えて短い この命
江戸の水より 利根川の
水に馴染んだ 平手造酒

世間をすねて 故郷(くに)を捨て
どこへ流れる はぐれ雲
呼ばれた気がして 振り向けば
ただよしきりが 啼くばかり
昔鳴らした 二本差し
今じゃ浮世の 裏街道

受ける川風 千鳥足
酒と道ずれ あの世まで
武職渡世の 恩義でも
外せばすたる 男道
大利根囃子を 口遊み
抜くぞ北辰 一刀流


22.無法松の一生(度胸千両入り)

作詞:吉野夫二郎
作曲:古賀政男

小倉生れで 玄海育ち
口も荒いが 気も荒い
無法一代 涙を捨てて
度胸千両で 生きる身の
男一代 無法松

空にひびいた あの音は
たたく太鼓の 勇駒
山車の 竹笹 提灯は
赤い 灯(あかし)に ゆれて行く
今日は祇園の 夏祭
揃いの浴衣の 若い衆は
綱を引出し 音頭とる
玄海灘の 風うけて
ばちがはげしく 右左
小倉 名代は 無法松
度胸千両の あばれうち

泣くな嘆くな 男じゃないか
どうせ実らぬ 恋じゃもの
愚痴や未練は 玄海灘に
捨てて太鼓の 乱れ打ち
夢も通えよ 女男波(みょうとなみ)


23.花と龍

作詞:もず唱平
作曲:船村徹

出船 入船 若松の
ゴンゾ稼業の 道連れは
意地と 度胸と 心意気
咲いて散らせと 花がいう
吠えて 走れと 龍がいう
遠賀 川筋 売り出しは ああ 花と龍

苦労かけるな すまないと
かけて やりたい 詫言葉
許せ お前は 恋女房
義理をたてたら 花が泣く
情すくえば 龍が泣く
背なで今宵は なぜうずく ああ 花と龍

闇と 無情の 人の世に
せめて 小さな 灯でも
俺の この手で 点したい
嘘に 染まらぬ 花がある
天に 恥じない 龍がいる
男一代 まっしぐら ああ 花と龍


24.すきま風

作詞:いではく
作曲:遠藤実

人を愛して 人はこころひらき
傷ついて すきま風 知るだろう
いいさそれでも 生きてさえいれば
いつか やさしさに めぐりあえる
その朝 おまえは 小鳥のように
胸に抱かれて 眠ればいい

夢を追いかけ 夢にこころとられ
つまずいて すきま風 見るだろう
いいさそれでも 生きてさえいれば
いつか ほほえみに めぐりあえる
その朝 おまえは 野菊のように
道のほとりに 咲いたらいい

いいさそれでも 生きてさえいれば
いつか しあわせに めぐりあえる
その朝 おまえは すべてを忘れ
熱い涙を 流せばいい


25.挽歌の街に雪が降る

作詞:坂口照幸
作曲:弦哲也

去年より 冷えるから
気がかりなのさ
冬が苦手の 寒がり屋
いつも男は 先をみて
いつも女は 今をみる
遠い、おまえは もう遠い
挽歌の街に
あゝ雪が降る

独りでも いいんだよ
しあわせならば
不幸だけには もうなるな
ひとの甲斐なさ 仕方なさ
悔いのない奴 いるもんか
俺を責めるよ 痛いほど
挽歌の街に
あゝ雪が降る

今ならば 守れるさ
包んでやれる
四十路坂から 男坂
五年先でも 俺は待つ
涙拭くため 俺はいる
雪のあとほど 晴れるもの
挽歌の街に
あゝ雪が降る


26.ぼけたらあかん長生きしなはれ

作詞:天牛将富
作曲:遠藤実

年をとったら出しゃばらず
憎まれ口に泣きごとに
人のかげぐち愚痴いわず
他人のことは誉めなはれ
知ってることでも 知らんふり
いつでもアホでいるこっちゃ
ぼけたらあかん ぼけたらあかん
長生きしなはれや

勝ったらあかん負けなはれ
いづれお世話になる身なら
若いもんには花もたせ
一歩さがってゆずりなさい
いつも感謝を忘れずに
どんな時でもおおきにと
ぼけたらあかん ぼけたらあかん
長生きしなはれや

(じっちゃん ばっちゃん がんば!)
(じっちゃん ばっちゃん がんば!)

なんぼゼニカネあってでも
死んだら持って行けまへん
あの人ほんまにええ人や
そないに人から言われるよう
生きてるうちにバラまいて
山ほど徳を積みなはれ
ぼけたらあかん ぼけたらあかん
長生きしなはれや

そやけどそれは表向き
死ぬまでゼニを離さずに
人にケチやと言われても
お金があるから大事にし
みんなベンチャラいうてくれる
内証やけれどほんまだっせ
ぼけたらあかん ぼけたらあかん
長生きしなはれや

わが子に孫に世間さま
どなたからでも慕われる
ええ年寄りになりなはれ
頭の洗濯生きがいに
何か一つの趣味持って
せいぜい長生きしなはれや
ぼけたらあかん ぼけたらあかん
長生きしなはれや

(じっちゃん ばっちゃん がんば!)
(じっちゃん ばっちゃん がんば!)


27.たそがれの街角

作詞:たかたかし
作曲:田尾将実

暮れゆく街はセピア色
人の群れに華やいで
来るはずもない 君がいまにも
駈けて来そうな そんな街角

マロニエの花が 咲いていた
愛しあって求めあい
ただいたずらに 傷をふやして
ふたり暮らしてた あの頃…

花冷えの街角に 夕暮れの鐘が鳴る
想い出が風のように ムム…ゆき過ぎる

灯りが街に点っても
君のいない淋しさに
行き惑ってるぼくの心は
愛にはぐれた 旅人

花冷えの街角に 夕暮れの鐘が鳴る
移りゆく時の流れ ムム…悲しくて

花冷えの街角に 夕暮れの鐘が鳴る
想い出が風のように ムム…ゆき過ぎる


28.おまえとおれ

作詞:杉良太郎
作曲:遠藤実

そんなに好きじゃなかったんだよ 初めはさ
それほど いい女でもないお前にさ
どうかしてたよ 俺も
だけど…これが男と女かな
俺しかないんだね 俺しかないんだね
お前には

何にも出来ないおまえになんで惚れたのか
他にも 好きな女が あゝいたのにさ
どうかしてたよ 俺も
だけど…幸福にしてみたかった
俺しかないんだね 俺しかないんだね
お前には

こんなに深くなるのがとってもこわかった
年の差 気にせず燃えて 結ばれた夜
どうかしてたよ 俺も
だけど…お前をいまは愛してる
俺しかないんだね 俺しかないんだね
お前には


29.雪便り

作詞:織由之
作曲:浜圭介

初雪が山に降ったとの 君の便り
細文字便箋 ため息模様
隠す哀しさ 抑えた淋しさ
思えば切ない 今この胸
閉じる瞳 あふれる面影
雪よ 雪よ 雪よ
ああ こらえ雪よ

淡雪が春を告げたとの 君の便り
貼られた切手は サクラの模様
揺れるうれしさ あふれる歓び
通いあう心 今この時
夢の中に たしかな面影
雪よ 雪よ 雪よ
ああ ときめき雪よ

隠す哀しさ 抑えた淋しさ
思えば切ない 今この胸
閉じる瞳 あふれる面影
雪よ 雪よ 雪よ
ああ こらえ雪よ

雪よ 雪よ 雪よ
ああ こらえ雪よ


30.男の花道

作詞:松井由利夫
作曲:遠藤実

紙のこよりじゃ 魚は釣れぬ
口で世間は 動かせぬ
人は真実(こころ)だ 真実(こころ)がなけりゃ
砂の器の きれいごと
どこに男の 男の夢がある

他人の目を見て 間尺を合わす
それが出来ない 意地っぱり
情け押し売り はた迷惑と
知って巣ごもり ほととぎす
なんで血を吐く 血を吐く 恋未練

ただの石でも 涙で磨きゃ
いつか錦の 玉になる
男花道 男の器量
命ひといろ 染めぬいた
意地で引く幕 引く幕 とばす幕


31.下北情歌

作詞:坂口照幸
作曲:弦哲也

山背が吠えて 雪をつれてくる
街屋根白く 沈む頃
この土地の 男たち 飾らぬ飲み方に
心なごむよ…
ここは下北 大湊

枯葉のように ここへ辿り着く
そのまま魅かれ もう三月
どんな旅 見えるかい 男のこの歳で
なあぁ鴎よ…
ここは下北 脇野沢

吹雪の中の 馬よ 寒立馬(かんだちめ)
誰より春を 待つものを
甘いよなぁ 俺なんて そう云う生き方の
真似もできない…
ここは下北 尻屋崎

函館行きの 船が出ると云う
ここより港 北にあり
浜茄子の 咲く頃か さらばと告げる日は
俺のこの街…
ここは下北 大間崎


32.おれの道

作詞:杉良太郎
作曲:安藤実親

役者、役者というけれど
我が身を削って 回りを照らす
世話場の話に泣かされて
大向うまでも涙声
われる拍手に
男勝負の 男勝負の 正念場

演ずることは 易しいが
役になりきる 難かしさ
奈落にじっと立ちすくみ
叶わぬまでもどこまでも
吐いた台詞に
男一筋 男一筋 夢舞台

師匠しらずの 芝居ゆえ
芸のくるしみ 吐く血潮
たとえ鬼だと云われても
あまえに許さぬ芸の道
一心不乱
男生命の 男生命の 晴れ舞台

今日のめでたい 千穐楽を
祝ってくれた 皆様へ
初日に返って応えたい
役者冥利に心で泣いて
命を燃やす
男花道 男花道 華舞台